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古いものには、人の気持ちを和らげてくれる何かがあります
作った人の思いでしょうか、使い伝えた人の気持ちでしょうか、
でも形あるものはいつかは壊れます、
捨ててしまうのは悲しいから、ミルクホールでは直して生き返らせます。




1.割れた大正ガラス
2.傷の修理後
まず漆で堅くしっかり継いだところです
3.完成
金で化粧仕上げをします。


器の修理は主として 伊万里ものが多いですが、写真のようにガラス器の修理をすることもあります。
これは、見事に二つに割れた大正時代に作られたガラス皿です、明治から大正時代によく作られた
水色のガラスに乳白を入れた デザインの器です、今ではこの色も乳白も作ることのできない技術です。
それが今の物にはないこの独特の柔らかい色合いの理由です。
落として割れた物はこんな風に欠けることなく奇麗に割れることはありません 、長年の間に疲労して
自然に割れたものと思われます。ですからほかに小さな傷はなく、金継ぎすれば充分観賞にも
使うのにも耐えられます。

2枚目の写真は、まず漆で堅くしっかり継いだところです。
2つに割れたものが確実に継ながったことが確認できたら 最後は金で化粧仕上げをします。
金は本金の粉状のものを使用します、金にも色々な種類の物があり粉の粗さや色味が微妙に違います。
表面が盛り上がらないよう平らに仕上げて充分乾かします。
風の起こらない部屋で、息を止めての作業は高価な金粉を使うので真剣です。
この時決して笑ったりしないよう注意が必要です。さあ、完成品の出来ばえはいかがですか。


これは伊万里の蕎麦猪口です
口の部分の欠けとそこから下部にかけてにゅうが入っています

1.欠けとそからのにゅう
2.欠けとにゅうの補修 3.黒中漆塗 4.金仕上げ

1..2 欠けの部分にはエポキシ系のパテを埋め込み、 乾いたらやすりで削り型を整えます、
にゅうの所は一度瞬間接着剤でなぞり しっかりと押付けるようにして付け、はみ出した部分は
カッターで落とす。軽く爪で叩いてみると澄んだ音に変わる筈です。
ニュウの部分の汚れが目立つようならタイル用のカッターで少し削り溝を作る。
3.,4 補修ヶ所に黒中漆お上から塗る、にゅうの所は数回塗り乾いたら200番位の水やすりで
水研ぎをして表面を滑らかにする。紅柄漆を均一に薄く塗り乾く少し手前で金粉を振り掛ける、
それを3.4日乾かしたら砥粉を胡麻油で練ったものを布で磨き金の光沢を出す。
上から上朱合や梨地の漆を薄く塗り軽く押すように拭取る、乾いたら先程の砥粉でよく磨く。

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